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直接教授法

 外国語教授法で最も成功を収めているのが直接教授法(the Direct Method)です。この教授法は19世紀後半に文化活動や経済活動が国際化してきたことにより、実際に使える外国語の能力が必要とされるようになった背景の中で生まれてきた教授法です。元々の発想は、大人になって外国語を学習する場合も、幼児が第一言語を学習するのと同じような方法で学習すべきであるというものでした。この教授法の名前に「直接」と言うことばが付いているのは、教授法の発案者がそのような名前を付けたのではなく、大昔、外国語教育の実態を調査したフランスの文部省が、当時行われていた様々な外国語教授法を「直接教授法」とひとくくりに呼んだことによります。彼らが直接教授法と呼んだ理由は、翻訳を通さないで、その言語で直接意味を教えていたからです。

 直接教授法では、この様に意味を教える際に翻訳を通さずに直接意味を教えます。その理由は、意味を直接理解できるようにする必要があるからです。意味を直接教える方法は、その言語で説明する他、実物を見せたり、絵や写真を見せるなどの方法があります。

 授業内容は、外国語を使う様々な活動が行われます。状況を設定して、実際に外国語を使う練習をしたり、外国語を使ったゲームを行ったり、視聴覚的な方法が可能な場合は、外国語が使われている様子を映像で見せる事などが行われます。

 直接教授法から派生した教授法にコミュニカティブ・アプローチ(The Communicative Approach)というものがありますが、コミュニカティブ・アプローチでは生徒が間違えた場合に訂正しませんが、直接教授法では訂正するのが普通です。しかし、「直接教授法では、生徒の間違いを訂正すべきである」ということが特に言われているわけではなく、コミュニカティブ・アプローチでは「誤りを訂正しない」というのが確固とした教授法の指針として確立していると言うだけのことです。実際問題としては、直接教授法で教えている際に、誤りを直すかどうか、どこまで直すかは先生次第というところです。

 直接教授法は、近代的な外国語教授法の模範としてその地位を確立し、学校教育への応用が試みられてきました。しかし、意味を教えるための様々な道具の準備が必要な点、言語活動、言語ゲームなど授業内での活動を行うための準備が必要な点、さらに、ネイティブ・スピーカー並の高度な外国語力を必要する点など、個々の教師への負担が非常に重く、学校教育への普及は非常に遅れています。しかし、直接教授法以外で外国語の習得は無理と考えられていますので、どうしても普及させなければならないというのが一般的な認識です。そのために、どうしたら教師への負担が減るのかを研究することが課題となっています。

2008年11月2日

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